ブラジル支部の治療報告

第一報 ブラジル支部 会長 山田忠正 コディネター 宮沢貞雄

講師 宮沢貞雄 大山口マユミ 新川江利フッチ

長い間ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか。
こちら山田先生の東洋鍼灸専門学校(こちらではEOMAで通っています)で長野式のセミナーを始めてから3年目に入ります。 2005年より前期1期生、後期2期生、2006年に3、4期生約50人程が長野式を学んでいきました。
私たちのセミナーの内容は毎月1回日曜日に先生から頂いた教材を午前中3時間午後3時間行い、これに平行して毎週火曜日午前中、学校に行って実際の患者さんを相手に治療していきます。

この実習は学校だからこそ出来るのだと思います。
先生から頂いた教材は、山田先生とマユミさんが翻訳し、とてもよく出来ました。
教材もとてもよくまとめておられますので教えるのにとても使いやすいです。

基本治療である①瘀血治療 ②扁桃治療 ③胃の気3点 ④副腎治療、これらはまず最初に治療させます。
患者さんの反応が無くとも、これは必ず使うようにいています。もちろん脈は最初に診ます。
これに⑤心因性骨盤虚血処置 ⑥筋緊張緩和処置 ⑦イヒコン ⑧坐骨処置 ⑨帯脈 ⑩横V字処置などなど、一回目より患者さんはとても喜んで帰って行きます。
習いたての生徒がやっているのにそれでも効くんです。
私も長野式って本当に効くんだな~と感心しております。
私もここで教えるようになり、沢山のことを学びました。
ツボの位置が少しでもズレるだけで効かなかったり、鍼の方向、深さによって効果が変わってきます。
それに学校で教える鍼のやり方は置鍼が多いのですが、長野式は副腎処置以外は置鍼はありませんよ、雀啄をしないと効きませんよ、ということで今はほとんど置鍼をやめ雀啄中心になっております。

その中で何例か症例を報告します。

●症例 1
マリア・クリスチーナ 女性 53歳 職業 鍼灸学校の先生
初診年月日:2006年9月5日
主訴:  吐き気、胃の不快感、便秘、胃痛、頭痛、頭禿げる
現病歴: 乳がんの手術、その後化学療法を2006年9月1日より始める。
所見
脈:   洪緊数
腹診:  中脘の圧痛
頭部瘀血あり

1回目: 2006年9月5日
治療:1、瘀血 2、扁桃 3、胃の気三点 4、風邪をひいていて喉の痛みに太谿・兪府・尺沢、5、中脘、下脘、上脘 6、イヒコン 7、左会陽 + 右大腸兪 8、腰兪、命門、脊中、身柱、大椎

治療後、気分かなり良し。血液検査の結果、リンパ球約1500でしたので手術と化学療法で免疫がかなり低下しています。

4回目:2006年9月26日
症状:胃痛・むかつきは、かなり良い。痛み取れる。頭重が少しある。
脈:洪緊数
治療:1、扁桃 2、胃の気三点 3、関元 4、頭重に三陰交、陰陵泉、上太白 5、百会 6、イヒコン 7、肝門脈のうっ血に左会陽、右大腸兪 8、腰兪、命門、脊中、身柱、大椎 9、天柱、風地、寛骨
計19回 毎週1回 最後2006年12月19日

症状ほとんど取れ本人とても元気になる。ときには副腎処置なども加えましたが、胃のむかつきと痛み、頭重、便秘などの全ての症状が取れる。一回目の治療で患者さん自身とても気持ちがよくなり、信頼して私たちの治療を受けにきました。

●症例 2
ドロラリーセ 女性 62歳 主婦
初診年月日:2006年3月28日
主訴:①アレルギー、顔面と体全体。痒みがひどく20年間様々な治療をしたが効果なし。ストレスもひどい、②左肩の痛み、③甲状腺機能低下症。
所見:
腹診:瘀血両側にあり

治療:1回目
1、瘀血処置 2、扁桃処置 3、副腎処置 4、築賓・肩髃 7、肩痛に丘墟、上四瀆、
8、築賓・肩髃に施灸(7壮・21壮)

4回目(5月2日)
症状: アレルギーは、あまり変化なし。現在は特に唇のアレルギーがひどい
左肩は結構良くなった、アレルギーのため不眠が続きストレス

治療:第一回と同様
9回目(6月27日)
症状:アレルギー少しは良くなっているが十分な効果は出ていない。
治療:第一回目の処置 + 肩ぐうの灸を21壮から31壮に。大椎の灸31壮を追加。

10回目(7月11日)
症状:少し良い、でもまだまだ不十分
治療: 今回の治療で大変化が起こります。
基本処置を終えた後、築賓・肩ぐう・大椎の灸を全て51壮にする。
驚いたことに、最後座位で大椎51壮を終えた時点で目の前でアレルギーの赤み、症状がほとんど消失。驚くべき効果。
ツボはただ効くものではなく、効かせるものだと強く感じました。それと同時に長野先生の治療法にさらに強い確信を持てるようになりました。

この他にもたくさんの著効例があります。
顔面麻痺の患者でとくに長野式特効穴、火穴では解谿と陽谿に7壮の灸でとても早くよくなった例。

顔面神経痛が手の大腸経の気水穴でスパッと取れた例。

脳梗塞様の病で右手の痺れと握る力のない患者に健側の丘虚・上四トクで力が出るようになった例。

また、側湾で胸椎の曲がった患者さんに側湾処置をしたら、その場で真直ぐになり皆で驚いた例。

数えればきりがないほどの効果を発揮しています。それも習いたての生徒たちの鍼でです。
長野式の素晴らしさに感謝しております。

また私以外に二人の学校(山田先生の)の先生が立派に長野式を習得され、ポルトガル語で十分な説明が出来るのも、この長野式セミナーのすばらしいところです。

特に中心になって教えていただいている先生はマユミ大山口先生。
この先生はビオメジカ(日本語では生医学というのでしょうか)、これを専攻され、とても医学に詳しくまた鍼の理論にも詳しく、先生に頂いたテキストも翻訳されました。ですから長野式セミナーにおいても医学面からの説明も入りかなり高度な長野式を皆さんに提供しております。

もう一人の先生は新川江利フッチ先生
先生はかなり長いこと山田先生の学校で教えていまして学校ではなくてはならない存在です。とくに中医理論に詳しく、こちらの方のマスターコースを卒業されており、両先生とも私にとってはなくてはならない存在です。

この二人の先生のおかげで程度の高い長野式セミナーができ、また毎週火曜日の
実習と合わせて充実したどこにも負けないものと自負しております。

以上 第一回目の報告と致します。

敬具   宮沢貞雄
2007年3月26日